賃貸契約の際に、必ずと言って良いほど、加入を求められる火災保険。
当たり前のように加入の申し込みをしている人も多いはず。
でも本当に必要なものか、保険料は適正なのか。言われるがままに契約してしまうと思わぬ出費になることも。
ここではそんな火災保険に関することをご紹介していきます。
賃貸の火災保険とは?
賃貸住宅の火災保険とは、火災などで借りている部屋に損害を与えてしまった場合、
・原状回復にかかる費用(「大家さんに対する賠償責任」)の補償
・自分の家財を補償
をする為のものです。
マンションなどの共同住宅を借りる場合には、主に「漏水事故による水ぬれ」の補償を目的に「個人賠償責任」の加入も求められます。
「大家さんに対する賠償責任」と「個人賠償責任」の補償は、どちらも単体では加入できず、火災保険に「特約」として付けることになります。
賃貸住宅で必要な補償とは?
賃貸住宅の場合、自分の家具などの家財の補償が必要です。
保険会社によって、どこまで補償するかのパッケージや事故のときの自己負担額が決められるので、ご家族やご自身の持ち物に対して、どのようなリスクに備えたらよいのか、不要なリスクはあるか、ひとつひとつ確認をしていくことが大切になります。
5つのポイントに分けて紹介をしていきますね。
①家財の保険金額の目安
家財の補償はいくらで備えればよいのでしょうか? 家財の保険金額は「今持っているものをすべて買いなおしたら、いくらになるか?」が基準になります。
そうはいってもまったく見当もつかない人もいるはずです。そのために保険会社は家族構成や、借りる部屋の広さによって参考値を案内しています。参考値はあくまでも参考値ですので、そのなかで決めなければいけない訳ではありませんが、目安になると思います。しかし、保険料を安くしたいがために、補償を抑えすぎると、全焼などの被害に遭った場合、買い直しの費用が足りない可能性も出てきますので気を付けましょう。
賃貸住宅における家財の保険金額の目安
専有・占有面積 | 33m²未満 | 33m²以上 66m²未満 | 66m²以上 99m²未満 | 99m²以上 132m²未満 | 132m²以上 |
保険金額 | 340万円 | 620万円 | 860万円 | 1100万円 | 1360万円 |
※上記表はあくまで一例です。保険会社によって評価額は変わります。
隣家からのもらい火で火事になった場合、相手に賠償請求ができない?
自分は火事など起こさないと思っていても起こしてしまう場合もありますし、隣家などから火をもらってしまうこともあります。
民法の709条には「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」
という条文がありますが、失火に関しては、木造住宅の多い日本の住宅事情をかんがみて明治時代に作られた失火責任法という法律がまだ残っています。
この法律は「重大な過失がない場合の失火については、民法709条は適用されず損害賠償請求できない」というものです。
つまり、重大な過失ではない失火によるもらい火で延焼してしまっても、隣家(火元の家)に損害賠償を求めることはできないので、ご自身の家財を守るための補償は必要です。
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